入り用で真空用のシリコン型を作ったので、この機会にクリアキャストの注型法を確立するべく実験を行いました。
ベルグより購入したクリアキャスト。実験の為1キロで購入させて頂きました。普通のキャストとは物性が違う?さてさて
真空を使わずに予備ダッポウしたものしない物を常圧片面に流してみた。
予備ダッポウ無しは、至る所に気泡が出来る。予備ダッポウ有りは表面周囲に気泡がやたらと出来る。…表面の水分が問題だろうか?分からん
室温6度、硬化時は20度の温室内で硬化させた
上)予備脱泡せずに真空で沸騰させたもの…同じく表面に気泡が沢山。
下)予備脱泡して真空で沸騰させたもの。結構長めにやってみた。
脱型までの時間は40分と恐ろしく長い(笑)で、抜き物はこの実験では全く使い物にならない事が分かった。
■改善点…キャストの温度を上げ作業場の室温を上げる(本日6度)
型の温度を上げてみる(未計測)
予備ダッポウを長めにしてみる
型の表面をドライアーで乾燥させてみる
等が推測出来る。
上記の考察を踏まえ
■湿気を取り除く
計量の紙コップを一日乾燥ブースで乾燥させ湿気を除く。撹拌用の割り箸も同じく。
■キャストの温度を上げる
ヒーターの前で暖めてみました。昨日は室温6度で特に気にせず混合しましたが、混合後白濁し、流動性が低かった。
暖めた所流動性が上がり、白濁もすぐなくなりました。
■型を暖める
ヒーターの前にダンボールで囲いを作り、型の片面だけが暖まらないように全体を暖める。硬化時間が飛躍的に早くなりました。
■予備ダッポウを多めに
ブクブクブク。沸騰後1分
■真空脱泡を長めに
普段より2倍くらい。型のキャストだまりの設定が小さく、沸騰であふれましたが気にせずブクブク。今後キャストだまりは大きく作りましょう。
写真1
型はこんな感じ。キャストだまりが小さく、型の上部は書けてしまいましたが…
写真2
昨晩の抜きものとの比較。かなり改善されました。一目瞭然
写真3
表面処理もせずにボークスのクリアサフェーサーを吹いて(艶消し)スーパークリア2を吹き付けてみました。磨いたらもっと透明度が上がるんだろうな~
というわけで、自分的には満足!実践投入も可能だと判断します。…と言っても何も現時点では予定はありません(笑)知的好奇心を満たし普段の作業に戻るのでした。めでたしめでたし。
リンレイワックスブルーです。シリコン型同士の離型に使用します。
特に遠心型にはかなり消費しますので、送料かけて通信販売するよりも、足でDIYショップ探したら安上がりです。ウエーブBJの通販で売っているものと中身は同じですし、内容量も多くてお得!このネットショップなら比較的送料も安めです。お一ついかが?
HPの内容を画像つきで更新するための下書きです。加筆の可能性があります。
■遠心注型 キャストの漏れの原因を探る Q1.キャストを注いだ後、キャストが漏れます。対処法は?
A.キャストが漏れる原因として
1.型がずれている 型を作る際にアンダーカットにならないような大きめの筆の柄などを使って適量のズレ防止イボイボをつけてください。
2.型締めがしっかり行われていない ネジでクランプの際にクランプする位置をしっかり計測しないと回転にムラが出来ます。キツすぎずゆるくなく。これは経験が物を言います。また、硬質スポンジをシリコン型と天板の間にはさむことにより効果がでます。
硬質スポンジはDIYショップで300×300mmぐらいのものは見かけますが、大きなものは値段もぐっと高くなります。30センチ以上の型を作ろうと思う方は要注意です。
3.回転が早すぎる 研磨機のスピード100%では早過ぎます。回転が早いと両端で引っ張られ型の中心部ほど薄く変形し全体も遠心力で薄く引き伸ばされます。
対応策として回転数を遅くするためスライダックコンデンサーの導入をお勧めします。30%ぐらいの出力での運用がよいようです。
また型の伸び防止のためにシリコンを流す際ガーゼを忘れずに仕込んでください。HPの型取りの章を参照のこと。
4.注ぎ口に必要以上にキャストを入れている。 いっぺんにキャストを流しすぎると上の注ぎ口からから漏れ出します。頃合いをみて適量流しましょう。
5.上蓋が平坦ではない、もれたキャストが蓋に付着している 注入口から漏れたキャストが板に付着すると板が反ってしまい、正しくクランプが出来ません。シリコンと天板との間にPPP製の0.2ミリくらいの円盤(注ぎ口の穴がある奴)を入れて逆流防止する事で解決できます。ppp(ポリプロピレン)はキャストとの相性が悪く、キャストがくっ付きませんのでもれても綺麗にはがれます。
また木製なので天板は夏場など水分をすって、あらぬ方向に反ります。よって反ってしまった場合は乾燥させるか、硬質スポンジを円形にくりぬいてシリコンとの間に挟みます。
6.中心がずれている。回転の中心とセンターコアの中心がずれていてはなんにもなりません。しっかり合わせてください。回転ムラが一番の原因です。
7.型取りの際に型が歪んでしまった 型取りの際に型枠の高さまでシリコンを流さずに硬化させた後、裏返してしまうと型の自重で型がたわんだまま型取りをしてしまいかねません。
型より一回り小さな台座を用意して空間を作らないようにします。
うまく流れればこんなモールドにも気泡は残りません
5.実践!!遠心注型 型に入りませんっ!編上の図のように配置をあらかじめ考えておりましたが、どうにも一番長いパーツが入らない!そんなときはどうするの?脱線して他の事書いておりますが、実はそっちがメインだったりします。
もともと遠心注型には長さのあるものは向いておりません。業者さんなんかも4、5センチを超えると真空に移行したりするようです。
そんなときはばっさり
思い切って分割しましょう。その前に、遠心で抜くことを前提に「抜けないものは作らない」「抜けないのははじめから常圧抜きの準備」など。
原型を作る段階で、直30センチの遠心注型で抜けるよう意識しながら原型を作るってのが一番ですよ。
型に余裕があるのなら、長物編と同様です。とてももったいない贅沢な配置です。
クリック次に分割を試してみましょう
棒だけ別パーツにしてみました
クリックここでよくありがちな失敗として例をあげると
上図の
黄色のランナーように主道を別とするパーツ同士を繋いでしまうことです。
この場合、右のパーツの主道からの圧力と左の主道からの圧力が均衡し、押し合いへし合いになり空気が逃げ場を失うことがあります。
この二つをつなげる場合は二つで一つのパーツと考えこの場合も主道と副道を明確にしておけば失敗することはありませんが、予測が困難になるので無闇に隣のランナー、隣のパーツにゲートを切るのはお勧めしません。
4.実践!!遠心注型 顔 前髪編 さて後ろ髪です。
この後ろ髪ですが、机の上にこのパーツを置いたときの高さ、これにプラス2センチぐらいが型の厚さになります。髪の毛のうねりが少なければ少ない程型は薄く、軽く、シリコンの使用量が少ないと言っても過言ではありません。
もしあまりに型が厚くなるようであれば、髪の毛に限らずその原型だけを別の型に入れる(常圧下抜き、真空抜きなど)ことも検討せねばなりません。
遠心注型においてはパーツはできるだけ小さく分割されていたほうが抜きやすいと思います。パーツが多数にわたる場合、小さいパーツは小さいものを集めた同じ型に入れ、大きいものは大きいものでまとめると経済効果が上がります。
小さいものであれば、左図のように毛先を外側に向けるように配置して、ゲートは型の中心に最も近い場所に。
大きいものであれば、右図のようにしてもかまいません。